公立病院視察

職員のやる気が経営改善のかぎ

 11月8日、9日、昭和病院組合議会での視察に参加しました。石川県の公立能登総合病院と公立松任石川中央病院に伺いました。

1.公立能登総合病院 病床数(一般330床、精神100床)
精神病床100床は、精神科が公立病院にあることも珍しい中、大変希少。地域医療を一手に担っている存在。
平成16年に累積赤字46億におちいり、職員に対する経営状況を開示することで、職員一人ひとりが危機感を持ち、一丸となった経営改革が行えた。
看護師確保のため、隣接する高校の看護科の生徒を対象とした臨床研修制度を導入。

2.公立松任石川中央病院 病床数(一般275床、精神30床)
もともと経営状況は良好だったが、平成20年、企業団として経営を開始、自治体からの支援をほとんど受けずに経営を行っている。これまでより迅速な意思決定と、設備や薬剤の自由裁量が増し、「やりたいことができる病院」として医師に評判となっている。結果としていい医師の確保、定着につながっている。

いずれの病院も
 ①7対1看護(看護師:患者)を実施するなど、患者の立場に立ったサービスを心がける(補助金があり、経営面でもプラス)
 ②手をつけがちなコスト削減よりも、大事な資源である人=職員のモチベーションをあげ、職員一人ひとりが収益を増やすことを考える
 ③一人ひとりがいきいきと働いている

 公的な病院の役割は不採算でも行うという面はもちろんあります。ただ、支える自治体の財政状況がより厳しくなる中、自立的で、持続可能な経営をこれからは考えていかなければなりません。そのためには民間企業だけでなく、公的な機関にも働く一人ひとりのやる気を出させるしくみが必要であることを改めて感じた視察でした。