原発事故子ども・被災者支援法 被災者の声を生かした方針と実行を早急に!

今回の院内集会・政府交渉 原発事故子ども・被災者支援法推進自治体議員連盟HPより

521日、参議院議員会館で自治体議員連盟主催の「もう待てない!原発事故子ども・被災者支援法の基本方針の見直し、緊急課題の解決を!」と題し、当事者からの報告と基本方針に対する見直し交渉が行われた。 

この法律が施行されてすでに2年が経過しようとしているが、この法に基づき具体的な施策を実施するための基本方針では、法の理念にも反した被災者や自治体が求めたものとはかけ離れたものとなっている。 

要請内容

緊急課題として

1.従前の法では対応できない事態であるからこそ制定されたにも関わらず、ひとつひとつの施策は従前からある法の範囲で済ませようとしていることが多い。住宅提供期間など、今後も安心して生活できるように、継続した避難生活ができる保障を制度化すべき。

2.健康調査の範囲を少なくとも汚染状況重点調査地域を含めること。 

基本方針について

1.支援対象地域:福島県の33市町村のみとなっており、客観的な数値に基づく基準である、一般公衆の被ばく限度量の年間1mSv以上となる地域とすべき。

2.支援対象地域で暮らす被災者への支援については、子どもの保養への支援範囲の拡大、保護者の保養休暇制度の創設、従来の安全論に依拠しない放射線防護教育の実施など

. 自主避難についても支援の対象とするのがこの法の理念だが、移動支援対象や、母子避難に伴う託児や就学・就業支援、家族と離れて暮らす子どもへの支援等々の拡大を図ること 

放射線による健康影響調査、医療提供

1.健康調査の範囲の拡大、健康管理手帳の交付、生涯にわたる定期的な健康診断の実施、甲状腺がんに早期発見・早期治療の促進、検査体制確立に向けた財政援助、検査体制の拡大・確立、チェルノブイリ事故の健康影響の研究、健康調査や医療の知見や基準についてはICRPのみならず、ECRRなどの主張も参考にすること 

意見反映、見直しの手法について

被災者の意見反映のための被災者等協議会の設置と施策策定への参画、支援対象地域の指定除外への慎重な対応とともに、健康調査や医療提供は継続すること、施策の拡充・見直しの際には被災者・支援活動従事者の意見を聴くこと 

 

政府交渉では、男性のみ20人余りの政府側の官僚の方々がずらりと並び、異様な光景だった。担当省からの答弁は当事者の立場にたっているとは思えないものも多いと言わざるを得ないうえ、さらに事前に要請書を提出しているにもかかわらず、欠席した担当省から書面による回答もなかった。会場からは、怒りの声が上がっていた。

こういう状況が繰り返されていることが、会を重ねるごとに参加者が減っている原因と考えられる。時間をかけ、交通費をかけ、個人で参加しているのに、何の解決もされないことが続くなら、被災者にあきらめの気持ちが出てくるのは当然だ。自分がその立場なら、自分の身内だったらと考えられないのか。