子ども・若者総合支援センター エールぎふ ~岐阜市~

2014年11月17日 02時01分 | カテゴリー: まちづくり, 人権, 子ども・教育, 活動報告, 福祉・医療, 視察

親しみやすい案内パンフレット

40万人都市の岐阜市では、これまでも市内の各地域に幼児支援教室や自立支援教室を設置し、一人ひとりの子どもに寄り添った支援をおこなってきた。そうした中、廃校になった市中心部の校舎をリフォームし、市長の公約でもあった総合相談センターを開設した。

行動指針として以下の3点を共有している。

①子ども・若者に関わるあらゆる悩み・不安の相談に対応

②ワンストップで総合的に相談・支援

③発達段階に応じて継続的に支援

従来の業務を再編し、係間の連携、外部の専門家や関係機関との連携により横断的に対応している。相談はここで受け、その後の支援の中でも発達に関する支援は、市内の支援教室につなぐこともある。また、当センターの小中学生向けの自立支援教室に通う子どもたちは、市域が広範なため、バスでの送迎も行っている。

 

相談体制については、電話かメールで問い合わせ、必要があれば来所または訪問で面談する。まず、どんな相談でも耳を傾け、受け止めることを基本にしている。

その後、臨床心理士、医師、警察官、弁護士などの外部専門家も加わったケース検討会議を経て、一人ひとりに合わせた個別支援プログラムを作成、専門職によるチーム支援をおこなう。直接、相談や支援を行うのは教員、保育士、保健師、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床発達・認定・保育・学校心理士などの専門職である。これ以外に、スクールソーシャルワーカーや専門アドバイザーとして臨床心理士、小児精神科医、小児科医、弁護士を配置している。

センターは、

1階:受付、初回相談、赤ちゃんステーション

2階:2回目以降の子育て相談、教育相談、自立支援教室、保護者どうしのふれあいルーム

3階:発達相談と発達支援室

4階:小学生以上のためのワークルーム、就業・就労相談室、発達支援室

という配置になっている。

連携は、庁内では福祉部、教育委員会、健康部、若年層や障がい者の就労支援のための商工観光課、外部では、医療機関、大学、療育機関をはじめとするさまざまな公的機関、また地域のNPOなども正式に連携機関と位置づけられている。

開設してから半年間ですでに2,800件を超す相談が寄せられ、2,500件の支援を102名体制で実施している。そのための人件費予算は約4.3億円であり、今後はさらに増員したいと考えているが、専門職を確保するのは2015年度から生活困窮者自立支援法に基づく事業が全国で施行されることもあり、かなり難しいと考えている。

受けた相談のうち、40%は発達支援が必要なケース、15%が高校中退など義務教育終了後の相談ということだ。20歳までを目安としているが、それ以上の年齢についても相談はまず受け止め、他の機関につなぐということで対応している。また、兄弟での相談や支援も保護者の負担を軽減するために、一緒に行っている。さらに、義務教育課程から支援を行っているケースについては継続してフォローしている。

現在の清瀬市でいえば、教育相談センター、子ども家庭支援センター、発達支援センターが一体化されたものであるが、1つのセンターに統合されたことで、日常的に庁内の横連携ができるようになったということだ。2015年度からは子ども未来部直属のセンターとなる予定だ。

 

悩みを抱えている人にとっては、どこに相談すればいいのか調べることさえ難しいこともある。相談できる場所が明確化されるだけでも、何かあればあそこに相談すればよいという日々の安心につながるだけでなく、必要になったときに、相談してみようと思えるはずだ。

実際に、相談件数が多いことは、「必要とされていた」ということだ。その中でも特に、発達支援や義務教育終了後の相談数の多さは、最も必要とされている支援であることを示している。

清瀬市でも2018年度の開設をめざし、0歳から18歳を対象にした総合相談支援センターを準備中だ。教育委員会主導で進んでいるが、福祉分野との「連携」ではなく、「一体」となって取り組まなければ目的は達成できない。一人ひとりに寄り添った、切れ目のない丁寧な相談と支援を行うことが求められる。