養育家庭で家庭のぬくもりを

2014年11月29日 11時03分 | カテゴリー: 人権, 子ども・教育, 活動報告, 福祉・医療

養育家庭のロゴマーク

都内には、様々な事情で親と一緒に暮らせない子どもが4,000人いる。そうした子どもを自らの家庭に受け入れ、育てるのが里親だ。その中でも養育家庭(ほっとファミリー)は養子縁組をせずに、18歳までの子どもを預かる制度だ。

毎年10月・11月を里親月間とされ、東京都では都内各自治体で養育家庭の子育て体験発表会を行い、そうした家庭を増やそうとしている。

小平児童相談所管内でも親と一緒に暮らせない子どものうち約1割の30名程度が、養育家庭で育っている。参加した東久留米市で行われた体験発表会では、児童養護施設の職員の方と養育家庭の方からの発表があった。

児童養護施設は、親のところに戻すことを基本として、養育できない期間だけ預かるという考え方であるため、生後すぐに乳児院にきた赤ちゃんでも、1歳か2歳にならないと里親にということにはならない。生まれてすぐに里親にということができれば、家庭での育ちが最初から保障されるであろうが、現在の制度ではできないということである。

施設では親代わりとして特定の大人がかかわっていたとしても、なかなか子どもとしての生活ができない。大人社会の中で生きていかなければならないため、大人のような行動をとるようになる。演技をすることで自分を守ろうとする。なかなか“家庭”というものの認識することは難しい。

 

養育家庭として申し込みをしてから、グループそして個人での交流期間を経て、本契約となる。しかし、養育家庭に入ってからは、本当に自分の安心できる場所なのか、さまざまな“ためし行動”を行う。それが確かめられると、これまでできなかった、家庭での自分の育ちに必要なことを取り戻すかのように行っていく。安心して甘えるということのなかった子どもたちは自分の居場所を見つけ、やっと人として成長できる、ということなのであろう。

「少しでもこうした子どもたちの助けになれば」という思いから、養育家庭を希望されたということであったが、ためし行動による複雑な思いやさまざまな葛藤を抱えながら、家族だけでなく家族と関係する人たちも巻き込んで育てようと進み続ける強さに圧倒された。しかし、本気でぶつかっていける、受け止めてくれる相手だと子どもが思うからこそ、結果として本当の人間関係を築くことができるのではないか。血のつながりのある親子でもそういうことができているだろうかと、考えさせられた。

子どもの育ちを支えることが、一人ひとりの人生を支えるためにどれほど大切か、実感させられた発表だった。そのためには妊娠期からのサポートをはじめ、一人ひとりの親に寄り添った支援、里親制度や養育家庭の制度をもっと広げていくことが望まれる。一方では、性的虐待などによる望まない妊娠・出産への支援を確立していくことも必要だ。ひとつひとつの大切な命を社会で支えていくこと、子どもが子どもらしく育つことを保障できる社会でなければならない。