公の情報はわたしたち市民の情報

2017年5月10日 17時51分 | カテゴリー: 人権, 市民自治, 活動報告, 生活者ネット

東京都の情報公開条例の改正と公文書管理条例制定のパブリックコメントが行われることを受け、情報公開クリアリングハウスの三木由希子さんから、現状や改正の考え方について話を伺いました。

 今回の改正では、請求できる人の範囲の拡大や、閲覧手数料の廃止、審議会委員の増員など評価できるものの、ICTの活用の推進や積極的な情報公表の取り組み、複数回開示請求のあった情報の公表の取り組みの強化など、具体的なガイドラインなどが示されなければその目的とすることが担保されるのか不明な点もあるものも含まれています。

 それぞれの改正内容もさることながら、豊洲市場の百条委員会においても、民間は当然のように作成・保存している文書が東京都には存在しないなど、文書に関する規定のあり方に疑問を持たざるを得ない点もありました。こうした情報公開や文書管理の現状についても合わせて報告します。

 

☆情報公開条例

★改正内容

〇請求できる人の範囲の拡大

   都内に住所を有する個人、法人及び通勤、通学者に限定されていたが、必要とする理由を明示して請求する個人、法人、その他の団体にも拡大

〇閲覧手数料の廃止と手数料の引き下げ

  コピー代や電磁的記録媒体の写しの交付手数料の引き下げにより、実費相当に 

〇審議会委員の増員

  ただし、開催頻度が低く、諮問機関であるため、諮問外の建議も可能にすべき

〇ICTの活用の推進や積極的な情報公表の取り組み 

〇複数回開示請求のあった情報の公表の取り組みの強化

 

★改正点以外の課題

〇公表範囲について

原則開示を徹底し、非開示部分を最小限とすることと改正される。しかし、具体的な解釈方針がないため、実態化できるのか不明。本来は不開示規定の見直しも議論すべき。

〇開示請求対象範囲について

・委託先、監理団体、指定管理者や補助対象者などの外部組織に関する情報公開が「努力」範囲となっているが、説明責任の範囲であり、本来「公文書」化すべき。

・公文書として管理する範囲は、議案、資料、収受決定文書など、幅広く考えるべき。

〇目的規定がない

   条例が「知る権利」を保障するものとなっていない。

 

☆公文書管理条例

★関連する文書管理規則(文書の取り扱いを定めたもの)の改正について

〇改正内容

・起案文書の作成

  重要な事案についてはその経過資料を作成しなければならないとの規定が追加

・保存期間の設定

 期間満了まで適切に保存する義務の規定を追加

・文書等の廃棄

 重要な文書等については、局の文書廃棄の責任者の承認を経て廃棄し、廃棄結果を文書管理責任者に報告

 

 ★文書管理規則改正内容の課題

  〇「事案決定に至るまでの過程」のみの記録に限定⇒事務事業の実績の文書も作成すべき

  〇作成義務付けの目的が不明確⇒検証できるようにすることを明記すべき

  〇文書の記録であり、公文書としての記録ではない⇒管理範囲の明確化のために公文書化

〇保存の義務付けがない⇒時間がたっても検証できることを保障する必要

 

 ★公文書管理条例案の概要と課題

  〇大枠を定める条例⇒実際の運用を定めた文書管理規則と照らし合わせてみる必要がある

  〇情報公開条例と実施機関(実施対象となる部署や団体等)や公文書の定義の整合性を図る必要あり

〇文書の作成、公文書の整理・保存、公文書館への引き継ぎ、文書目録の作成、管理状況の点検⇒文書の整理・保存単位、保存期間、廃棄の基本的な考え方・基準、保存期間満了後の措置(公文書館の役割)などの明確化が必要

 

清瀬市の情報公開条例も東京都と同様、知る権利を保障する「原則開示」ではなく、開示請求にどう対応するかがメインとなったものだ。

個人情報は別として、行政の持つ情報は、本来私たち市民の情報であるはずだ。「原則開示」は説明責任を果たすうえでも必要だ。