1989年に国連が制定した子どもの権利条約ですが、子どもが育つために必要な基本的な権利を保障するというもので、生きる権利、育つ権利、保護される権利、参加する権利が大きな柱となっています。
・日本でのかかわりは?
日本では1994年に批准し、子どもの権利を保障するという約束を国際的にし、今に至っています。その後、各自治体で「子どもの権利条例」が制定され、この多摩地域でも小金井市や日野市、国分寺市で制定されています。
・清瀬市では?
清瀬生活者ネットワークでは、現職の原まさこが12年前に議員としての活動を始めたときから、清瀬市でもこどもの権利条例を制定する必要があることを訴えてきましたがまだ、実現に至っていません。
・なぜ子どもの権利を考える必要があるの?
未来を担う子どもたちの育ちの危機は日本の将来の危機ともいえます。清瀬の子どもたちの育ちが、将来の清瀬がどんなまちになっていくかを決めるといっても過言ではありません。
しかし現実は優等生といわれる子どもたちの突然とも思える強行事件や引きこもり、自らの命を絶ってしまう、また虐待を受け命を落としてしまうといったことが現実にはおこっています。
・なぜこのような現状になっているの?
喜多教授によると、これらは日本の子どもの自己肯定感が低いこと、周りから自分が受け入れられていないとおもっている子どもが多いことが大きな原因であるということです。また、虐待については、親自身が子どものころ親に受け入れられなかったという受容拒否が原因になっていることが多いと分析しています。
・どうしたらよいのか?
子どもたちに自己肯定感、受け入れられている受容感を持ってもらうためには、子どもたちを指導するのではなく、子どもを支援することが大切であるとも教授はいっています。子どもは自ら決めて実行したことで自分に自信を持ち、また失敗の中からなにかを学び、それが成長に結びつくということを繰り返していくものだと思います。
おとなはその子どもの自ら育つ力が発揮できるように見守り、そして子どもの意見に共感していくことこそが大切で、それが子どもを受け入れることであり、そしてその結果子どもの自己肯定感が育っていくはずです。
子どもはおとなとともに支えあって生きていくパートナーなのです。
・なぜ条例として制定する必要があるの?
清瀬市でもさまざまな子ども支援の施策がありますが、安定的な施策が保証されているわけではありません。そのためには、条例という制度をつくること、法的な基盤を作る事がもっとも効果的です。清瀬市でも、ぜひ子どもの権利条例を制定していただき、縦割り行政の壁を打ち破り、子どもの、市民の立場にたった仕組みづくりを進めてほしいと願っています。