高次脳機能障害・難病デイサービス おむすび
5年前、板橋区役所近くの仲宿商店街の一角に、高次脳機能障害などの中途障害者と難病のためのデイサービス“おむすび”は誕生した。
高次脳機能障害は、人により障害の現れ方や経過が異なる。交通事故やスポーツ中の事故を原因とし、男性が8割、また20代・30代が6割を占めると報告されている。
事故の治療を受けたのち、自宅での生活を送りながら定期的にリハビリに通うケースが多い。ただ、週に数日のリハビリ以外は外出しないことになりがちだ。これは、外出先として数時間過ごせるところがないためだ。おむすびにはリハビリに通いつつ、週に3日くらい通っている方が多く、定員25名のところ、毎日20名程度が利用している。
おむすびは、ちょっと広いLDKといった感じで、そこにあるテーブルで利用者が作業をする。そのわきにあるキッチンでは午前中からパートやボランティアの方がごはんを作っていて、職員も含めたみんなでテーブルを囲んでお昼を食べる。特に一人暮らしの方には、楽しみな時間となっているそうだ。実費として300円を集めている。送迎も1回50円で行っている。
おむすびを立ち上げた加藤さんは10代のころから障害者や、緑の市民運動にかかわってこられた。おむすびは、1200万円の寄付で設立し、当初3年間は都の補助を受け、現在は地域支援事業として、ときわ台にある“ときわの杜”での就労移行支援事業とともに区から受託し事業として成り立たせている。
高次脳機能障害は社会的認知が低く、診断も付きにくいことから、清瀬市でもまだ19名しか対象者を把握できていない。普段の生活の中で、いつこの障害を負うかわからない。他人事と思っている場合ではない。中途障害になっても自分を活かせる、おむすびのような“居場所”が必要とされている。