女性が安全安心に暮らせるために

2018年9月NPO法人ジェンダー平等福岡市民の会との交流にて

★ジェンダー問題プロジェクト
セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)やドメスティックバイオレンス(DV)、性暴力に対する公的制度の遅れの背景には、慣習として刷り込まれている性差別、つまりジェンダー不平等の問題が根強くあると考えます。日本のジェンダーギャップ指数ランキングは 153 か国中 121 位という、前年 2018 年の 110 位からさらに順位を下げるという残念な結果となっています。
全国各地の支援団体や連携機関の専門家、自治体担当者はそれぞれの持ち場で力を尽くしていますが、女性への暴力根絶の動きを広く社会化し施策化するためには、足元から実践していくことが重要です。
東京・生活者ネットワークは、これまでも東京都にDV防止条例を提案し、被害者支援を担う民間市民団体への公的支援や子ども虐待とDV施策の連携の必要性を訴え実現してきましたが、充分とは言えないのが現状です。
そうした中、2018 年にジェンダー問題プロジェクトを立ち上げ「東京に住む女性たちへのインタビューからの政策提案」と「自治体での男女平等調査によるランキングの発表」を行いました。これに続き、同時期に起きていた官僚や首長、議員など公人によるセクハラや、DV、フラワーデモに象徴されているような性暴力の課題の 3 テーマで、自治体施策を調査しました。

★各自治体のセクハラ、DV、性暴力への対応状況
都内23区25市に調査へのご協力をいただき、清瀬市は41位という結果でした。最高点を取った日野市も54点であり、いずれの自治体も十分と言える状況ではないこともわかりました。調査と結果の詳細は東京・生活者ネットHPhttps://www.seikatsusha.me/blog/2020/06/11/14963/ でご確認ください。

★清瀬市の現状
○セクハラへの対応について
・市民向けの啓発講座、事業主として職員への研修は実施している
・さらに首長や議員への研修が必要
・市職員の相談窓口に職員以外の第三者の配置があるとよい
・実態調査を行う必要がある

○DVへの対応について
・DV防止法に基づくDV防止基本計画が策定されており、被害者支援のためのガイドブックや支援者への研修、支援者の待遇など比較的充実している
・学校におけるDV予防教育、デートDV予防教育など必要

○性暴力への対応について
・防止や相談について男女平等推進プランに記載されている
・学校における性暴力防止教育として専門家による科学的な性教育など必要
・犯罪被害者基本法に基づき、支援が自治体に義務づけられており、性暴力被害者支援はその1つと位置づけられているため、対応する計画や他機関との連携を含めた体制が必要

○相談のしやすさについて
・中学校のトイレなども含む地域のさまざまなところに相談カードなどをおき、いつでもSOSを発信できることを知らせる必要がある

☆まとめ
DVへの対応については、根拠となる法律があることで、セクハラや性暴力との違いが明確になりました。被害者の立場に立った支援が求められます。
また、異性間でも同性間でも対等な関係性をつくり相手を尊重する人権教育と、自分や相手の体について正しく知る機会としての性教育をすべての子どもたちに学ぶ機会を保障する必要があると改めて感じます。

「あなたは悪くない」と自治体も発信し、声をあげることができる地域にしていかなければなりません。