分離教育は分離した社会を生む

 

カルチャースクール亀吉、かめキッチン入り口 合理的配慮で学校も「ごちゃまぜ」をあたりまえに

学校について、日本は国連から「過度に競争的である」との指摘や「障がい児の分離教育の中止」を勧告されています。合理的配慮が保障されないため普通学級へ通うことを拒否される場合や、たとえ普通学級へ通うことができても合理的配慮が不十分なため、安心して学ぶことや親は働くことができない場合が多い状況が続いています。東洋大学客員研究員の一木玲子さんの講演を紹介します。

◇国連はなぜ特別支援教育の中止を勧告したのか
障がいの有無で分離した特別支援教育は、障がい者がインクルーシブな社会で暮らしていく道のりを否定し、施設で暮らすことにつながる。インクルーシブ教育なくして、障がいのある人の自立生活はあり得ない。インクルーシブ教育は、共に生きる社会の礎である。

◇インクルーシブ教育とは
障がいの有無を問わず、あらゆる可能性のある児童・生徒(以下、生徒)が同じ教室で一緒に学ぶことである。全ての人のための質の高い教育に焦点を当て、教育機関が全ての生徒を援助して全ての生徒が最善の状況で完全に参加できるようにする。
⇒子どもを分けない、多様な子どもが安心して学べるように普通学校を変える

◇東京都の学校のあり方
・現在58校ある特別支援学校をさらに増設することに加え、普通学校と同じ敷地内への設置や普通学校との交流・共同学習を進める⇒分離して交流
・普通学級、特別支援教室、通級、特別支援学級、特別支援学校

◇国連が日本に求めていること(その1)
・すべての学校段階でインクルーシブ教育の権利を認めること
・国家行動計画を策定し、障がいのある子どもが合理的配慮と個別支援を受けられるように
・障がい児の普通学級への通学を保障し、学校が通学を拒否することを禁止する法令を
・就学前の療育・保育をインクルーシブ教育につなげる法令を

◇国連が日本に求めていること(その2)
・障がいのあるすべての子どもへの合理的配慮
・教員へのインクルーシブ教育・人権モデルに関する研修(人権モデル:人間は誰でも尊く、自由、平等で、市民的、政治的、経済的、社会的、文化的にあらゆる権利を有している)
・情報コミュニケーション(手話・点字など)の教育
・医学モデルの法令を人権モデルに改正すること

◇勧告に基づいたロードマップ
短期:本人・保護者が安心して普通学級を選ぶことができるための改革、幼保・小・中希望者全入、就学相談の改革、高校の定員内不合格の是正
中期:障がい児が安心して学べる、生活できる普通学級への改革、普通学級の体制整備(教員配置を含む)、高校大学入試改革、インクルーシブ教育モデル校の設置
長期:インクルーシブ教育への移行・実現(特別支援学校、特別支援学級の段階的改編・縮小・廃止)

◇特別支援学校への就学基準(学校教育法施行令22条の3別表)
医学モデルにより視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱に区分

◇就学時健診の位置づけ
・兵庫県芦屋市:就学前1年間は全員幼稚園等で集団保育を受けるため、就学時健診は不要
・大阪府東大阪市:「特別支援学校などへの入学を考えている場合は相談してください」

◇芦屋市の取り組み
・集団保育で障がい児の保護者も他の子と遊ぶ姿を見て安心して普通学校に
・就学相談は普通学校が原則
・生活はすべて普通学級:人的支援が必要な子は特別支援学級席をとり、教員を確保、発達障がいの子は原則普通学級席
・バリアフリー、合理的配慮は責任を持って保障
・保護者が相談できる「特別支援教育センター」の設置

◇兵庫県三木市の通級指導
・学校生活支援教員:子ども中心の支援(嫌がる支援はしない、保護者より本人優先を保護者に了承してもらう)
・通級の教員が子どものクラスを巡る
・学校に子どもの意見を反映させる

◇神奈川県藤沢市:保護者の学校付き添いは差別(教育委員会「障害者差別解消指針」)

一斉授業をしているのは、OECD諸国でも日本を含む数カ国だけのようです。当日は、白黒反転、ルビ、行間を広くし、写真や絵を載せるなどさまざまに工夫された教科書も紹介されました。1人ひとりに合った合理的配慮は清瀬市の学校でも可能です。