災害時 気になる トイレと水(トイレ編)

 

10月23日、東京生活者ネットワークの多摩北地域の市議会議員を中心に都立小金井公園の防災機能を視察しました。 

小金井公園は小金井市、武蔵野市、西東京市、小平市の4市にまたがり、管理は、公益財団法人東京都公園協会の小金井公園サービスセンターが指定管理者として行っています。公園内の施設として、防災施設もこの協会が検討しています。

災害の際の都立公園の位置づけは、広域避難場所で、あくまでも自治体の指定する避難場所が使えない場合に利用する二次的な避難所です。

避難場所としては二次的ですが、救助機能を集中させるという検討がされています。広い空地があるためヘリポートとして使うことができます。救急車の代わりに救助を行ったり、救援物資をおろしたりすることが可能です。また、緊急輸送道路が公園の東西、南北に接しているため、輸送拠点としての機能も持ちます。さらに、長期にわたる避難生活が必要になった場合には、仮設住宅の用地にもなることが考えられます。

災害時といえば、使えなくなると困るのがトイレ。小金井公園には停電の際にも使えるように、地下に管を通し、最終的にはまとめて汲み取る貯留式のマンホールトイレ用の穴が6か所、合計102個あります。衛生上は下水直結が理想ですが、公園内に下水管は通っていないため、貯留式になっています。その穴に設置する洋式便座とそこにかぶせる簡易テントがトイレ内の倉庫に保管されており、簡単に組み立てて使えるようになっています。

ただ、マンホールのふたを開けるのにはちょっとしたコツが必要だったり、てこの原理を使って開けるための棒が結構重かったり、便座などが収納されている倉庫のカギは公園協会の職員が持っていたり・・と簡単に設置できるというわけにもいかないようです。

今後、かぎの保管者については、都と公園協会で検討していくそうです。また、マンホールのふたを開けることや、便座やテントの設置は、4市の合同防災訓練で市民が実践できます。

トイレ以外にはかまどベンチが6基、ソーラー式で蓄電池つきの避難誘導灯や照明も設置されていました。

また、4市合同の防災訓練の様子をDVDで視聴しました。公園のサービスセンター長は、「防災ショーのようだと批判をされるが、実際にやってみることで道路が使えるか、ヘリコプターが降りられるかが確認でき、また今後の改善点も見つかる。他部署との顔合わせの機会ともなり、今後の連携にも役立つという点で、必要だと考えている。」ということでした。確かに市の防災総合訓練についても、観ている一市民としてはショーのように感じていた面もありますが、実演している側にとっては必要な訓練であることが理解できました。

今回の視察を通して、清瀬市にも神山公園や中央公園などの大きな公園に、下水に直結したマンホールトイレを設置しておく必要があること、(ただし、下水管が損傷した場合を考え汲み取りにも対応できるようにいったん貯留できるようにしておくとベスト)、さらに宝の持ち腐れにならないように実際に使う練習をする必要を改めて感じました。 

トイレセットとしてこの箱に入って公園のトイレの倉庫に

                       

マンホールの穴に合わせてまず鉄板を設置し、その後洋式用の足を設置

便座を設置

便座を設置してからこの覆いをかぶせます。ファスナーで閉められます。

公園内のマンホールのふたを開けたところ

2列に並んだマンホール、地下にも2列に菅が入り、一番低いところにたまるようになっています。