災害時 気になる トイレと水(水編)
さらに続いて、小金井市内の梶野浄水場の応急給水訓練を見学しました。東京都水道局、浄水場を実際に管理している民間の会社、小金井市水道課から、職員が参加していました。実際の災害時には、東京都水道局の職員で浄水場に一番近いところに住んでいる職員が駆けつけることになっています。まず、門のカギを開け、次に倉庫から消防用にもつかわれるようなホースと水をくみ上げるためのエンジンポンプを貯水槽まで運びます。さらにそのホースと給水のための蛇口をつなぐ鉄の管を、組み立て給水場所に設置します。貯水槽のふたを開け、ホースをつなぎ、エンジンポンプにオイルを入れ、手動でエンジンをかけると、水が徐々にホースを伝ってきました。
この作業は、実際にこの浄水場を管理している民間企業の指導のもと、東京都水道局の職員が行いました。設置は、かなりの重労働にみえました。力のある人でも最低数人は必要です。
都の水道局の職員に聞いたところ、清瀬市内唯一の元町浄水場も、この浄水場と同じ、旧方式だということでした。
最新式の浄水場は応急給水に使うエリアが通常のエリアと分けられており、蛇口をひねれば応急給水が行えるというような簡単な方式になっているそうです。
水道が使えなくなれば、給水車がくると思っていましたが、多摩地域全体でも数台しかないのが実情です。全域で水道が使えない事態になれば、この浄水場に自ら給水を受けに行かなければなりません。当日は、リュック式のポリタンクも配布されました。一人一日3リットル、三日分は備蓄が必要と言われています。「蛇口をひねれば水」も当たり前ではない、備蓄の必要性を改めて痛感した視察ともなりました。