ちょっと待って!子宮頸がんワクチン接種 

生活者ネットワークは、安全性や有効性について充分な確認・検証などの体制が整備されるまでは、国として子宮頸がんワクチン接種を中断し、課題が残る場合はワクチン接種を中止するよう求め、5月17日、厚生労働省担当者と面会し、厚生労働大臣あての要請を行った。小西みかは今回の6月議会で、清瀬市議会として国に対する同様の趣旨の意見書の提出を提案したが、反対多数で提出できない結果となった。

6月14日、専門家で構成する厚生労働省の予防接種の安全性や接種後の副反応を検討する委員会は、「臨床試験のときには分からなかった全身の慢性の痛みが43件でていて、未回復のものも8件あることを重視した結果として、安全性に問題があるという判断ではなく、国民に対して責任ある対応をするために情報収集を行い、再び積極的な勧奨ができる状態にしていくということだと理解してほしい。がん予防のメリットを選びたい人については接種してもらっても構わない」という趣旨で、積極的に接種を呼びかけるのを、一時中止すべきだという意見をまとめた。これを受け、厚生労働省は、自治体に対して積極的に接種を呼びかけるのを中止するよう求めている。

こうした国の対応については、現状を踏まえた判断として評価されているが、安全性に問題はないが、積極勧奨はしないということを接種対象者やその保護者はどのように受け止め、どのように判断すればよいのか。副反応は、接種後すぐにでるものだけでないことや、因果関係が認定されなければ適用されない救済制度で、すべてのケースが救済されるとは考えにくい。それでもがん予防のメリットを選びたい人はインフルエンザワクチンの40倍の副反応のリスクを覚悟したうえで受けて、ということか。安全だからと自分の子どもや孫に、接種を進めることができるのか。全く当事者意識を欠いた対応といわざるを得ない。

清瀬市では、4月以降、中学1年生に接種の個別通知を実施しているが、今回の国からの要請を受け、通知した対象者に対し、「積極勧奨ではなくなった」との通知を追加して行っている。ぜひ新規の接種だけでなく、追加接種も安全性が確認できるまでとどまってほしい。

定期的に健診を受けよう

子宮頸がんワクチンについては、そもそもワクチンの有効性の限界や必要性についての疑問はぬぐえず、健診こそ重要だ。2年に1回程度の健診で予防できるといわれている。健診率8割のイギリスのように、女性の特定看護師や女性医師が検診を行うなど、女性が健診を受けやすい体制の構築をすべきと考える。

今回の国の対応は混乱を招くだけではないか。せめて、いったん定期予防接種事業としての取り組みを中断し、体制を整備したうえで再開すべきだ。