議会の改革は当たり前 ~栗山町議会~
栗山町議会といえば、議会改革に関心がある人なら知らない人はいないというくらい有名である。2006年に議会基本条例を制定して以来、全国各地からの視察を受け、今回も2議会との合同視察となった。
清瀬市議会では、2010年ころから議会改革検討会を立ち上げ、議員間討議により議会改革を進めていこうと取り組んできたものの、これまでに実現できたことは、一般質問における一問一答、議会だよりの視覚的なリニューアル、決算・予算特別委員会における質問時間の拡大という程度のものであり、まだ入口付近といわざるを得ない。
現在の栗山町議会の議員の方々は、議員になったときから議会基本条例があり、議会報告会を実施しており、ということで、それらはごく“当たり前のこと”のようだ。
栗山町議会では平成12年の地方分権一括法の導入時から、地方議会の役割と責任を自覚し、二元代表制の機能を果たすべく、改革に取り組んできた。
1.議会を町民の目にさらし、緊張感を持って行政と対峙すること
2.議員の弱い財政問題への認識を高めるための常設の特別委員会の設置
3.各委員会での毎月所管事務調査の実施、監視型から、政策提案型の議会への転換
4.委員会視察は廃止し、必要な調査・研究を議員自らが編成する政務活動
5.審議の途中でも議会報告会により町民意見を聴き、議員間討議に反映
6.マスコミを活用し、情報を多くの町民に伝える
これらを実現するために議会基本条例を制定し、改選のたびに見直しを行っている。
特に町民から意見を受け、議会運営に反映させる議会モニター制度や、議会としてのパブリックコメントを実施し、定数と報酬に関する意見を町民から募集していることは「議会は町民のためにある」ということを示している。
また、議会改革が進む他の議会においても議員間討議を行うことは常識となってきたが、栗山町議会のように「行政側への出席要請は必要最小限」にして、議員相互間の討議を中心に議会を運営していくという方針を持っているところはまだ少ないのではないか。
また、議員間討議の目的は「議会としての意見を集約する」ことと考えがちだが、あくまで「争点を明確化する」ことを目的とすべきであり、議会としての説明責任を果たすうえで不可欠なものと考えている点も、忘れられがちなことではないか。
また、議会報告会もさまざまな工夫を重ねている。自治会との共催にするなど、必ず参加してくれる人がいる方法で開催するようにしている。
これまでの経緯について説明してくださった議会事務局の方には、「わが議会を誇りに思っている」という印象を受けた。そんな風に思われる清瀬市議会にしていかなければ。
帰りがけ、議長さんをはじめ当日説明をしてくださった議員の方々に気さくに声をかけていただいた。その雰囲気に、日頃から共に活動している“議会”としてのまとまりを感じた。