「地域で暮らし続ける」を実現する支援・推進体制を考える~その1~

認定NPO法人市民シンクタンクひと・まち社主催の新総合事業に関する第2 回の自治体調査報告会における

日本女子大学家政経済学科教授で認定NPOさいたまNPOセンター理事、一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子氏の学習会に参加した。

 

★地域福祉の政策動向の現状

〇地域包括ケアシステムの応用・拡大・発展

高齢者の地域包括ケア⇒「我が事・丸ごと」の包括的支援:高齢者・障がい者・児童・生活困窮者など分野横断的に解決する地域共生社会を目指す(介護、障がいの事業所の相互乗り入れなどを想定)

〇人材の確保、質の向上

介護職の離職ゼロ、認知症施策への対応、地域包括支援センター職員、生活支援コーディネーター、ボランティア、NPO、市民後見人、認知症サポーター

〇介護に取り組む家族等への支援の充実

・介護サービスを利用していても心理的負担や孤立感を感じている(特に認知症介護者)

・介護離職を防ぎ働き続けられる社会の実現のために地域包括支援センターの相談支援体制の強化

 

★社会的リスクと経済的損失(日本ケアラー連盟の調査から)

多様な介護者

4人に1人は複数・重複介護 老々介護、認認介護 6%が育児と介護
老障介護、障老介護 遠距離介護 働き盛りの介護
シングルの娘・息子介護 ヤングケアラー(30歳未満18万人) 一人っ子の介護

 

介護が及ぼす影響

心身の健康悪化2人に1人 うつ症状4人に1人 学業・キャリア形成の機会損失
経済的困窮・貧困 介護離職10万人/年 非婚化・少子化
社会的孤立3人に1人 虐待その6割は孤立介護 介護殺人・心中10年で450件
自殺300人/年

社会的・経済的リスク

①医療・介護費用の増大 ④税・社会保険料負担者の減少
②低年金・生活保護受給者の増大 ⑤社会経済の活力・持続可能性の低下
③労働力不足 ⑥社会不安の増大

〇現行制度の限界と新たな法制化の必要性

・ケアされる側にはそれぞれを支援するための制度がある

・在宅介護継続支援となっており、ケアラー自身を支援する制度がない

自分自身の人生のほとんどをケアに捧げている

学業 仕事 社会参加 ライフイベント 日常生活 健康

ケアラーを取り巻く様々な社会問題の解決には法制化が必要

 

★包括的生活支援のイメージ

〇千葉県中核地域生活支援センター

千葉県地域福祉支援計画「理不尽な理由でつらく悲しい思いをしている人はいないか」という問いに答える。

対象者横断的な施策展開と、一人ひとりを全人的にとらえ、家族や家庭を包括的にとらえることで、本質的な問題解決を図る。

民間が企画・立案、行政が支援・具体化を特徴とする。

13の圏域に1か所ずつ設置、圏域ごとに公募で決定された事業者に委託

〇センターの4つの事業

・包括的相談支援事業

・地域総合コーディネート事業

・市町村バックアップ事業

・権利擁護事業

だれでも、いつでも、どこでも、どんなことでも。たらい回しにしない。

連携先の人・機関は平均90