私たちの食の安全はどうなるのか

有機栽培の畑

種子法が廃止され、さらに種苗法も改定されようとしており、私たちの食が大きく変わろうとして います。「農家が安く種子を買えないことで、農家自体の経営が立ち行かなくなると、大企業が農業を やるようになり、農産物の価格が高騰し、無農薬とか言っていられなくなり、体によくないものを食べ るようになると、病気になり、病院にかかり医療費が膨れ上がる」という悪循環に陥るかもしれません。 元農林水産大臣で弁護士、現在は「日本のたねを守る会」で活動している山田正彦さんのお話を紹 介します。

 

 

●日本は遺伝子組み換え農産物の承認トップ国

・2019 年 1 月現在 317 種類(内、除草剤耐性 138 種)

・遺伝子組み換え種子:コメだけでも 70 種類の遺伝子組み換え種子の試験栽培がすでに可能に

●各国のグリホサート(癌等を引き起こす除草剤)の規制

・日本以外の国では使用や販売禁止 ・日本では残留許容量を大幅緩和←収穫直前散布が原因

・グリホサートを散布しても枯れない遺伝子組み換え種子とともに農家に販売

・大手 3 社の小麦粉、国産小麦以外を原料とする食パンから検出

・2019 年に毛髪検査した日本人の 7 割から検出

●TPP 協定 米国離脱後の状況

米国離脱前の TPP 協定に沿って国内法の整備(種子法の廃止や種苗法の改定など)をしている =投資家の要望に沿った規制緩和

●日本のコメ、麦、大豆を守ってきた=種子法

日本の主食(コメ、麦、大豆)の伝統的な日本の在来種は国が管理し、都道府県に原種の維持、優良品 種の選定、審査を義務づけしてきた

コメの場合:各地の農業試験場で雑種の混入、不良な種を取り除き、苗場農家を選抜して増殖、厳格 に監査した優良な品種を公共品種としてその地域に合う多様な品種(コメだけでも 300 品種)を安く 安定して提供                   ↓

種子法の廃止により種子が民間会社に提供される=原種の知見(知的財産)をすべて提供するこ と

●主要穀物の種子の民間開放で価格が 4~10 倍に

・農家は安定して安く入手していた優良品種の種子を 4~10 倍の価格で購入することに ・しかも、自家採種できないので毎年その価格で種子を購入することに

・栽培に関する包括的な契約=民間化学会社と直接契約し、肥料・農薬などの資材はすべて購入が義 務づけられ、収穫したコメも他に出荷できない(違反すると損害賠償の対象に)

現在自給率 100%のコメの種子も海外生産になり、食料の安全保障が脅かされることに

 

●これまで種苗は購入により次の作付のために米類、イチゴ、サトウキビ、イモ類、果樹類など自由に 自家採種されてきた      ↓

種苗法改定で登録された品種は自家採種禁止に

●自家採種禁止の品目をメジャーな野菜にまで拡大 野菜 26 種、果樹 9 種、きのこ 25 種をすでに規定(草花、鑑賞樹を入れると 387 種に) キャベツ、ブロッコリー、ナス、トマト、スイカ、メロン、キュウリ、ダイコン、ニンジン等       ↓

これからは登録された品種はお金を払って許諾を得るか、1 本ずつ苗を購入しなければな らなくなる。違反した場合、懲役 10 年、1 千万円以下の罰金 米国、EU では麦などの穀類、イモ類、繊維作物など、数多くの自家採種自由の例外品目を もうけている

●New GMO といわれるゲノム編集 ・ゲノム編集でおこなわれる遺伝子の破壊:1 つ壊すと敵が来たと思い毒素を出す ・EU では遺伝子組み換えと同じ規制 ・日本では 2019 年 10月からゲノム編集種子が食品安全審査の手続きや届け出も不要で、農家に販 売

●世界の流れは有機・自然栽培、非遺伝子組み換え農作物に

・米国では年 10%、EU では年 7%の割合でオーガニックの生産が伸びている

・ロシアでは 2016 年に中国では 2017 年に法律で遺伝子組み換え農作物の栽培・輸入を禁止

・韓国のスーパーではオーガニックコーナーができていて、Non GMO・オーガニックの食品が並ぶ 小中高の学校給食が無償かつ有機栽培の食材に

●EU の農業は収入の 8 割を国の助成金で戸別所得保障 →日本も食糧自給率を上げ、食の安全を守り、国土の環境保全を達成する必要 →農協と生協の制度的な連携による流通制度が必要

「食べることは生きること」 これからの食を守るためにできることを考えていきたいと思います