武蔵野市でのまちぐるみの支え合い

2020年1月東京ネット福祉部会で視察したウエルファーム杉並にて

清瀬市では65歳以上の人口が28%を超えています。2025年を目標に、全国の各自治体では「地域包括ケア」づくりが進められています。その中では、自分や家族、公だけが頑張るのではなく、地域の自主性や主体性に基づいた支えるしくみをつくることが目指されています。先日行われた自治総研セミナー「公共私を考える」における武蔵野市福祉公社の森安東光さんの講演を紹介します。

☆武蔵野市:面積は清瀬市とほぼ同じ 10.98k㎡、人口は約2倍の14.7 万人

☆武蔵野市の支え合い
・いきいきサロン:介護予防(週1回以上、1回2時間以上)、市内23カ所
・レモンキャブ:外出困難な人のための移送サービス
・テンミリオンハウス:保険制度外のミニデイサービス(二部制)、市内 8 カ所

☆いきいきサロンとは
・気軽に身近に自主的に介護予防ができ、高齢者自身も活動の担い手や地域での役割を担う

☆レモンキャブとは
・バスやタクシーなどの利用が困難な市民
・年会費(1000円)と利用料(30分ごとに800円)
・運転手は同じまちの商店主を中心とした有償ボランティア
・福祉型軽自動車を使用

☆テンミリオンハウスとは
・2000 年から介護保険制度が始まったが、その前の制度のデイサービス利用者の3割が介護保険では非該当となり、その受け皿が必要だった
・使われていない地域の資源を活用して市民の力で支え合いの場を創設(高齢者が支える側にも)
・運営は地域の市民団体、NPO など。市が年間1000万円を上限に補助(自発性、柔軟性の担保)。5年ごとに運営団体は公募
・休眠資源を有効活用し、利用者は栄養面に配慮した食事を通した交流と、多様な講座でいつまでもいきいきと、運営者には生きがい・やりがいが得られる一石三
鳥の事業(ボランティアの市民や利用者がプログラム講師も担う)

☆テンミリオンハウスの財源

介護保険導入前の市の負担は 25%だったものが、介護保険制度導入後では 12.5%となり、差引き12.5%分余剰となり、それに少し上乗せし介護保険制度から外れた人向けの福祉施策の財源に

☆テンミリオンハウスの運営団体を支える関係機関
・市:運営費補助、事業採択・評価、建物提供
・医療・福祉機関:協力・連携
・土地・建物所有者:市へ賃貸
・社会福祉協議会:企業支援、運営支援

武蔵野市は国の介護保険制度導入について反対していたそうですが、導入されることを前提にどれくらいの人が保険制度でカバーされるのか、事前に調査し、テンミリオンハウスなどの保険外のサービスをつくり始めていたということでした。
現在でも65歳以上のうち、介護保険制度でカバーされているのは清瀬市でも2割程度であり、必要なケアのほんの一部に過ぎないのが現状です。自主性や主体性に基づくことで生きがいややりがいにつながり、支えられる側、支える側という一方的な関係を超えた地域での顔の見える支え合いのしくみが求められています。