多摩の“農”を次世代へ! ~都市農業が拓くこれからの農業~

清瀬市は都市農業が盛んな地域です。ただ、農地の減少は進んでおり、なんとかくい止めることができないのか、消費者として、また地域に住む市民として何かできることはないのか、考えていくことができれば思います。
東京都との共催による多摩地域の消費者団体交流会で行われたNPO法人 農の未来ネット理事・事務局長 田沼繁さんの講演と清瀬市内で活動する大学生グループ「はたけっこクラブ」の報告を紹介します。

◇日本の農業の現状(2025農林業センサス)
・経営体は個人経営が95%を占めるが、10年前に比べ5割減、20年前に比べ6割減
・法人経営は農事組合法人や株式会社が増えており、農家でない人を雇用できるが規模が相当大きくないと継続が難しい
・1経営体あたりの耕地面積は5年前に比べ増加しているが、日本全体の耕地面積は60年前に比べ184万ha(東京都の面積の6倍超)減少
・農業労働力は、10年前に比べ40%超減少、20年前に比べ120万人減少

◇東京都の農業
・担い手の減少と新たな就農者:経営体数4,050、就農者数6,415人、30年間で半減、農業従事者平均年齢65.6才
・新規就農者増の要因:農業以外からの就農、農業法人増、援農ボランティア増、農業振興財団での養成
・農地の減少:10年で15.6%減、市街化区域では19.5%減
・地産地消の広がりと持続可能な農業への転換:軒先販売、スーパーへの販売/新鮮、安全、品質がよい

◇都市農業とは
・都市:「都市」という言葉が使われるようになったのは明治時代から
・都市農業の成り立ち:2015 年都市農業振興基本法制定
・都市農業の多様な機能:新鮮な農産物の供給/避難場所/雨水の保水/農業体験・学習、交流の場、農業への理解の醸成
・世界都市農業サミットin 練馬:2019 年開催

◇日本人の満腹度
・食料・農業・農村基本法:食料安全保障が主な目的
・食料自給率:価格ベースで38%/お米の生産量2010 年820 万t、2020 年704 万t
・輸入品目上位農産物:とうもろこし、大豆など/農産物の輸入9 兆円に対し、輸出1 兆円ほど

◇次世代育成の活動
・NPO 法人 農の未来ネット設立2009 年
活動内容:埼玉県深谷市産直センターを拠点に/行政と生産者をつなぐ/農業体験プログラム/みらい体験農場

◇みらい体験農場での「はたけっこクラブ」の活動
・大学生グループ(立正大、立教大など)がメンバー
・東久留米市南沢の農園や清瀬市野塩の農場の協力
・清瀬市内の農場で収穫した野菜は、野塩周辺をミニリヤカーで引き売り
・2025 年度産品:にんにく、ジャガイモ、金時ニンジン、ポップコーン用トウモロコシ、落花生、大根、サツマイモ、カブ、ネギなど
・売上は年間で6 万円ほど、支出は種や苗、肥料などの農業資材

◇これからの活動
・農業体験、多品目生産、はたけっこクラブの継続、地産地消、旬産旬消を進める
・食料は人が生きるためには不可欠、食料を得る農業は最優先の産業、都市農業を含め、国内農業に関心を持ち生産者を支えましょう!

当日は、はたけっこクラブのメンバーの大学生、山崎さん、工藤さんが報告をしてくれました。「畑仕事は大変だけれど、収穫の喜びや引き売りの際に声をかけてくれる人がいることがうれしい」などの感想もお聴きできました。若い世代が農業に関心を持って取り組んでくれていることは、希望が持てます。ただ、実際に取り組んでみて、「大変な割には収入が少なすぎる」という実感も持っているのではないかと思います。
田沼さんがおっしゃるように食料を得ることができる農業は最も重要な産業です。多くの人が農業を仕事として選択できるようなあり方と、生産者を支えていくことが必要です。生活クラブでは提携産地での農業体験や援農、また市内の農家も農業体験や「とうきょう援農ボランティア」をとおして援農を募集しています。少しずつ、力を出し合いましょう。
また、アイレックで発行しているMs.スクエア106 号(2025 年4 月号)に清瀬の農業や、はたけっこクラブが紹介されています。