~グローバル社会における水と暮らし~

SDGs

水ジャーナリストで、アクアスフィア・水教育研究所代表の橋本淳司さんの学習会を紹介します。

世界には、危険な水しか確保できない、水を確保するために何時間もかかる、そのために学校に行けない、仕事ができずに貧困から抜け出せないという地域があります。国連が2030年までにすべての国や地域において達成すると掲げた「持続可能な開発のためのグローバル目標」(SDGs)にも安全な水の確保が含まれています。

◆ハンバーガー1個を作るのに必要な水の量は・・・2000ℓ

◆日本で使用されている水の量は・・・1人1日当たり1750ℓ(2ℓのペットボトルで875本)

⇒海外から多くの食料を輸入することで、海外の水資源も利用(約5600ℓ/人・日)している。

 

◆今後の水道事業の課題

〇人口減少・節水型社会=利用する人と負担する人の減少・利用量の減少

〇施設の老朽化=今後9割以上の自治体で料金値上げの必要な状況に

〇コスト削減に伴う技術職員の減=技術継承困難

 

◆水道法改正の主な内容

〇(水道事業の課題への対応)設備の把握、規模の適正化、広域化・統合化

〇(民間企業を活躍させるため)コンセッション=規模の大きい、利益の出る事業が対象

 

業務委託とコンセッション

◆コンセッション方式の課題

〇管理監督責任は自治体にあることになっているが、15年以上経過する中では、技術や情報に対する目利きとなる職 員の 確保が保障されない

〇再公営化は難しい=企業から運営権を買い戻すための費用、違約金が莫大

◆水道事業の持続策

〇流域内での水管理、小規模分散型、設備・管路の削減、水の専門人材の育成

〇地域の伏流水・雨水の活用、安全で安い原水の確保

〇水源と森林保全が重要(地下水への影響が心配な外国資本による買収、放置された人工林による地下水への影響、森林経営管理法による管理不全とみなしての伐採の加速)⇒地下水を保全するための法整備(質と量の保全、地下水を増やす、利用のありかた)

◆市民参画する水道事業

〇目的:居住地域において安全な水を安価に持続的に得られる、水の脅威から命を守る

〇行政・専門家・企業・市民が流域ルールを作り、流域健全化(地域に適した水の確保・浄水、水の3R、雨水活用、間伐と間伐材活用、環境保全型農業、食・エネルギー・木材の地産地消)

 

まずは、自分が毎日使っている水がどこからきてどこへ流れているのか調べてみませんか。