認知症の人のいきがいづくり~社会参加と仕事づくり~

浦安の「夢のみずうみ村」でのたくさんの種類の健康トリム

だれもが認知症をはじめ、生活に支障がある状態になる可能性があり、そうであっても自分らしく暮らすことが望まれます。

生活クラブ運動グループのワーカーズ・コレクティブ(雇われない働き方)にNPO法人ACT・人とまちづくりがあります。「自立支援と尊厳の保持」を目的とし、独立型の居宅介護支援事業所を展開しています。先日、法人の総会に際し行われた永田久美子さん、前田隆行さんの基調講演を紹介します。

◆認知症介護研究・研修東京センター副センター長 永田久美子さん

○認知症は「ありふれた状態」

・感染症、自然災害が頻発

・尊厳を守る、自立の支援、在宅の支援が必要

認知症について自分事、可能性(できること)重視、参加、希望を大事にする考え方へ

本人が発信、本人が活躍できるように政策をうまく活かし、どう進んでいくか

 

○希望:ささやかな望み、生きる力の源泉、働きたい、子どもを慈しみたい

・地域を舞台に介護・医療サービス+地域の多種多様な人、企業

・本人の声をもとに伝えながら、動いてみる⇒次の可能性へ

 

○認知症の人の「希望を叶えるヘルプカード」

・やりたいことをとめられている

・使いながら理解者をまちの中に広げていく

 

◆NPO法人町田市つながりの開(かい)理事長、地域密着型通所介護事業所DAYS BLG!所長、前田隆行さん

○本人の声(をきく)から始めるBLG!

・利用者13名定員、スタッフ4名

・毎朝、13名とスタッフ全員で「今日は何をするか(一日どう過ごすか)」を決める

・聞き流さない:本人が発信することがとても強力、生きたことば、実感のつぶやき

・家族が参加することも⇒家族の理解が深まる

⇒何かあっても「認知症があってもなくても起こりうること」と理解してもらえる

 

○認知症になると

・失敗すると諦めてしまう

・認知症の仲間といることで力をもらえる

 

○本人が動くことを「あたりまえ」にする⇒発想が変わる

・本人ぬきで支援内容を決めることがあたりまえになっていないか

・毎日の生活を一緒に考え、つくりあげていく

・本人が外に出向いていく⇒地域の人を巻き込むことにつながる○

 

○一緒にできる仕事を見つけに行く

・外にむかって自分たちの様子を見せる⇒すぐには見つからないが、次につながる

例えば・・・トヨタやホンダの販売店に声をかけ洗車をする、小学生と一緒に駄菓子屋を運営

・一緒に行動する人を探してつないでいく

 

○仕事(作業工程)を分解する

・例えばチラシまきなら・・・チラシを折る、チラシを組み込む、ポストに入れるなどの工程に分ける

長く歩けない人なら・・・折る、組み込む、車いすで出かけて膝にチラシを載せて運ぶなど

・だれもが参加でできるように組み立てる

 

○デイサービスは手段に過ぎない

・「本人がいい時間を過ごせる」を基本的な考え方にすべき⇒本人に聞き、本人が決める

・自分にあったデイサービスを探す、なければ一緒につくる

・一人から始める、どう一緒につくるか

 

「今日は何をするか」には、お昼ご飯に何を食べるか、どう用意するかも含まれていて、お弁当を注文する、お店に買いに行く、みんなで作るなども決めるそうです。

DAYSBLG!のHPを拝見すると、生き生きと活動するみなさんの様子がうかがえます。

*DAYS BLG!の由来:DAYS(日々)とBarriers(障害)、Life(生活)、Gathering(集う場)の頭文字、そして!(感嘆符、発信)