福祉×法務でみる ひとり親家庭への支援

石巻市子どもセンターらいつ

コロナ禍でひとり親家庭への支援が手厚くなったものの、ふだんからの支援こそもっと手厚くする必要性を強く感じます。また、そもそもどんな支援があるのかわかりにくいという声も聞きます。三鷹武蔵野社会福祉士会で行われた、ひだまり行政書士事務所カウンセリングオフィスで法律、福祉、心理など総合的に女性支援に取り組む行政書士、社会福祉士の長島愛さんの講演を紹介します。

◇ひとり親支援の行政サービス
・児童手当(中学校卒業まで)
・児童扶養手当(18 歳に達する日以降の最初の 3 月末まで)
今後、離婚協議中や離婚調停中でも使える予定
・児童育成手当(18 歳に達する日以降の最初の 3 月末まで):東京都のみの制度
・母子父子寡婦福祉資金貸付制度(保証人がいれば無利子、保証人なしの場合年利 1%)
親向け:事業開始資金、事業継続資金、技能習得資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、結婚資金
子ども向け:修学資金、修業資金、就学支度金
親・子ども向け:医療介護資金、就職支度金
・就学援助制度:学用品費、給食費、校外活動費、新入学学用品費などへの支援
・住宅支援:セーフティネット住宅制度、住まい探し支援
・ホームへルプサービス など

◇養育費
母子家庭の 42.9%が養育費の受け取りの取り決めをしているが、そのうち実際に養育費を受けて
いるのは 24.3%
●養育費を回収する方法
・支払いが滞ったときに強制執行できるようにしておくことが必要
・離婚協議書はあくまで私人間の契約書
・口約束ではなく、離婚公正証書を作成することで、支払いが滞ったら強制執行が可能に
・養育費の強制執行では給料の差押が 1/2 まで可能(養育費以外の場合は 1/4 まで)
●養育費に関する自治体の支援制度
・養育費保証サービス(支払いが滞った場合、養育費の立替と相手への請求を行う)
・養育費に関する公正証書の作成支援

◇未成年後見人:親権を行う人がいなくなった場合、法定代理人になる人
●遺言による場合:最後の親権者が遺言で指定することができる
・子どもの負担を軽くできる
・親や子どもが信頼する人に決めることができる
・遺言で指定がない場合、未成年者本人や親族などが家庭裁判所に申立てを行う必要がある
●家族信託
信頼する人に財産(金銭、不動産、株式)を託し、子どものために管理してもらう財産管理のしくみ

 

教育費については NPO 法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ発行の「教育費サポートブック」が紹介されました。