~介護者本人の人生の支援~

2018年8月20日 16時37分 | カテゴリー: まちづくり, 人権, 女性, 子ども・教育, 活動報告, 福祉・医療

介護や育児は社会化されてきたのでしょうか。介護離職やワンオペ育児など、ケアを担う人への支援の必要性が叫ばれていますが、なかなか進んでいないのが現状です。

そんなケアラーの実態を調査し、支援制度の充実をめざす(一社)日本ケアラー連盟の堀越栄子さんの学習会について紹介します。

 

〇要介護者と主たる介護者の状況

・要介護者等のいる世帯5割超

・主たる介護者の7割以上が家族、子や別居の家族が増加(男性34%)

・高齢化する介護者、さまざまな年齢のケアラーがさまざまな年齢の人を介護している

 

〇ケアラーの実情

・主たる介護者が終日介護している割合は要介護5で55%

・7割がストレスを抱え、身体の不調、こころの不調、睡眠の中断

・協力者がいない、相談相手がいない、孤立

・虐待経験、要介護者への憎しみ

・介護離職10万人、男性も2割⇒将来の社会的・経済的リスク

 

〇ケアラー支援ニーズ

・社会とのつながりの維持、学業・キャリアへの挑戦の機会、困窮

 

〇ヤングケアラー

・大人が担うようなケア責任を引き受けている18歳未満の子ども

・学校生活への影響:遅刻、欠席、忘れ物、学力低下、友達との関係の悪化

 

〇ヤングケアラーが学校に望むこと(イギリスの調査)

・ケアラーとしての責任が教育や学校生活に影響することの認識

・授業でヤングケアラーや障がいに関わる問題を扱うこと

・先生たちが大学や研修でヤングケアラーや障がいに関わる問題について学ぶこと

 

〇ヤングケアラー支援の重要性

・将来の選択に影響を与える「子どもの人権」にかかわる問題

・子どもとして、ケアラーとして普通に過ごせるための配慮を家庭や学校だけでなく社会全体で

 

〇ダブルケアラー

・家族や親族などの関係の中で、複数のケアや課題を抱え、複合的な負担と責任を負う状態

・一人で異なるニーズを同時に満たすことを要求される、制度が縦割りのため複合化する課題にスピーディに対応できない

 

〇介護離職者の声

・仕事を辞めたくなかった:勤務先の両立支援を利用しない人が半数

・介護に専念することで精神面・経済面の負担が増した

・経済的な余裕がないと自ら介護を選択する傾向

 

〇ケアラーが望む職場の支援

・残業を減らす

・出社退社時刻を自分の都合で変えられる

・仕事と介護の両立計画

 

〇職場のケアラーを社会で支える

・介護は家族でという思い込みをなくす:介護には人生のリスクが伴うことを知る

・職場と地域での介護者支援

 

〇自治体・地域の介護者支援

・ケアラー手帳、ケアラーズカフェ、ケアラーサポーター講座、ケアラー支援サービスコーディネーター、ケアラーアセスメント、訪問相談、介護者の休息を目的としたホームヘルプサービス

 

〇ケアラー支援の考え方

・主たる介護資源⇒専門職の協働者⇒援助の対象⇒1人の市民へと変化

・介護する人も尊重される

・無理なく介護を継続できる環境を整える、社会参加を保障

・介護を知る教育、介護者になったら支援情報を得る、総合相談支援窓口、介護者支援の人材育成、

介護経験が生かされ評価されるしくみ、ライフステージに応じた支援