ひきこもりと8050問題

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ひきこもりや8050問題についてはさまざまな対応がされてきていますが、どのような背景があり、どのように捉えればいいのでしょうか。明治学院大学社会学部社会福祉学科教授 関水撤平さんの講演を紹介します。
◇外出状況に関する調査(2022年)
・家から出ない(部屋から出ないも含む)
15才~39才:0.9%、40才~64才:0.8%
・普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事や近所のコンビニなどには出かける
15才~39才:8.8%、40才~64才:12.6%
→ほとんどの人は外出できるが社会的自立から距離のある、家族に頼らざるを得ない状態
◇家族にとってのひきこもり問題(KHJ全国ひきこもり家族連合会 実態調査2022年度)
・社会とのつながりはないものの本人は自由に外出:68%
・現在の困りごと:老後の不安/兄弟の生活と将来の不安/自立が難しい子どもを支え続けること/ひきこもる人生を尊重したいが、親が支え続けなければならない状況では自立を求めないでいることは難しい
◇社会的背景と支えの状況
・核家族化:サラリーマンやサラリーマンの妻になることで自立
・社会制度としての支え:労働による賃金、社会サービス、社会保険、年金
・世帯扶助を強いる制度設計→限定的な対象者を想定、民法でも世帯内や直系での扶助を前提
・公的扶助(障害年金):最後のセーフティネット、認定率が低い、支給額の少なさに加え、在宅生活支援の弱さ
◇働きづらさは増している
・非正規雇用割合37.3%→本人、家族も不安定雇用
・精神障がい者労災:請求件数3,780件に対し、認定は1,055件
◇本人にとってのひきこもりによる影響
・多様な社会との関わりがなくなる
・家族以外に頼れる社会サービスが限られている→家族関係が悪化
◇社会による支え
・社会的な手当の薄さ=家族任せ
・世帯単位で提供され、個人に届かない→必要なサービスを受けつつ生活するという選択をしづらい
◇家族による支え
・本人に所得保障
・就労サポート
・精神的に支える→本人の意思を尊重したいが、自立を求めたいという矛盾した役割であるため、人権侵害が生じやすい
◇社会的支援がないことで起こること
・ひきこもりの長期化→セルフネグレクト
・家族同居型でのひきこもり
(ただし、40才~64才のひきこもりのうち10%は単身型→一時的に働き、ひきこもり、また働いて、ひきこもりを繰り返す)
◇現在の公的な相談支援体制
・ひきこもり相談窓口(国・都)
・生活困窮者自立支援事業
・重層的支援体制整備事業:各地でこれから、もしくは始まったばかり
◇支援ネットワークをつくる:重層的支援体制+広域連携
・ネットワークづくりのコーディネーター
・支援の組み合わせ(引き出しを増やす)
・伴走型支援と課題解決の両輪
・支援する人同士の信頼関係→顔の見える関係、人となりのわかる関係、ケースを話せる関係
・自治体同士の連携
清瀬市でも、今年度、市の地域福祉計画と社会福祉協議会の地域福祉活動計画の改定の中で重層的支援体制整備事業の検討が行われています。福祉の総合相談窓口として、さまざまな相談を一括して受ける体制をつくり、その中でひきこもりや8050問題についても対象にする予定です。
ただ、相談だけではなく、居場所、ボランティアや就労の体験ができる場など、地域の中でたくさんのさまざまな場やつながりが必要です。市民がつながって、そんな地域づくりを進めていくことができれば、安心して生活できる地域になると考えます。
